コラム

平成29年12月度の箕面景況調査2018年02月01日

平成28年4月より市内小規模事業者様を対象に、景況調査を実施いたしております。

平成29年12月の箕面の景気の実感は、下記のグラフのようになりました。12月は世間の景気が良いという言葉もありましたが、グラフを見ると良い・変わらずの合計と悪いが同数という結果です。業界によっては厳しい状況が続いている模様で、別の施設に顧客が流出しているとの意見もあり、他では受けられないサービスの必要性が高まっているのを感じます。

去年の今頃と比べた景気の実感:良い(42%)

拡大する事業に対応するため、人材確保の施策に力を入れている。(建設業)

「常に3年、5年先の経営環境を意識する」という想いで経営している。(サービス業)

ホームページやブログの内容を見て、仕事の依頼が増えている。(サービス業)

今まで種をまいてきた案件が実りだしており、受注に追われている状態である。(製造業)

世間は景気が良いようで、高額商品がよく売れる。(小売業)

去年の今頃と比べた景気の実感:変わらず(8%)

近隣の個店が閉店し、その客が流れてきてはいるが、売り上げはさほど増加していない。大型チェーン店に客が流れているのも原因と思われる。(サービス業)

去年の今頃と比べた景気の実感:悪い(50%)

12月は忙しいが、1月が反動減になる。同業者仲間で、単価を上げて付加価値をつけて、固定客を囲い込む方法はないものかと集まればそんな話をしている。(サービス業)

固定客は高齢者が多く、またディサービスとかの老人施設でサービスを受けられるらしく、来店回数が減少傾向。(サービス業)

固定客が高齢のため、だんだん減少してきた。看板も見にくいので、新規顧客の獲得もままならず困っている。(サービス業)

代表である息子と専従者の父親で事業を行っている。昨年は大きな受注があったが、今年はないので、売上は昨年より少ないが、2人で事業を行うのに相応だと考えている。(建設業)

仕事の入りは順調であるが、人手不足のため、仕事を断らざるを得ない。求人募集をかけても夜間の作業になるためか、敬遠されなかなか決まらない。(建設業)

卸売業だけではやっていけないこと痛感していて、卸売業という形態から徐々に小売業にシフトしつつある。消費者ニーズもどんどん変化するのでついていけていない。斬新な企画の必要性を感じている。人手不足も深刻で、(繁忙期などの)必要な時に必要な人材を調達するのが難しくなっている。これまでは、チラシのみでの募集であったが、ネット募集に変更してからはやや改善した。(卸売業)

流出を防ぐための参考事例

さて、流出を防ぐためにはどうすれば良いのか参考事例として書類ファイルやテプラなどのメーカー、キングジムのポメラという商品の開発ストーリーを紹介します。

ポメラとはいわばPCからメモ機能以外を取り除いた商品です。

この商品は当初15名からなる役員会で審議されたとき、積極的な賛成者はいない雰囲気だったそうです。しかし、1名の社外取締役の大学教授が「お金を払ってでも今すぐ欲しい」と熱烈に賛同しました。多数決では廃案になるところ、キングジムでは採用し、見事ヒット商品になりました。

この事例から「あなたが熱烈に欲しいもの・サービスを提供すれば、賛同者は必ず存在する」ということが読み取れます。「あなたを最大限発揮すること」が、逆説的に顧客の「私を理解してくれている」につながります。そのようにつかんだ顧客は簡単には離れません。そして熱意がない同業者には簡単に真似ることはできません。ここで逆にとるべき第一歩は同じ熱意を持つ事業者を真似てみることです。同業・他業種問わず、共感できる事業者を探してみてはいかがでしょうか。

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