コラム

滝道の通行止めの解除、そして今後の課題2018年11月21日

皆さんこんにちは、専務理事の秋田です。

本格的な観光シーズン到来に合わせて、1年以上にわたり通行止めとなっていた滝道の通行止めが、11月1日の午前11時にようやく解除されました。

平成29年に接近した台風21号に伴う土砂崩落や倒木により滝道の一部が崩落し、通行者の安全の確保が難しくなったことから通行止めとなりましたが、約1年かけて杭打ちなどによる崩落防止措置などがとられ、今秋より通行再開の予定となっておりました。途中、今年の台風21号によるさらなる被害も予想されましたが、なんとか本格的な観光シーズンが訪れる前に間に合いました。

滝道復旧に伴い今年の観光シーズンは多くの観光客が訪れています。


開通に伴い、11月3日には箕面商工会議所と箕面市観光協会が「箕面滝道-復活祭-」と題して5000本のロウソクを照らし出す「みのおキャンドルロード2018」をはじめとした様々なイベントを開催し、多くの方が訪れました。これまで観光客の激減により大打撃を受けていた滝道ですが、これをきっかけに復興していただきたいものです。


しかし一方で、イベントだけで観光産業が復興するかというと課題もあります。

私は京都出身で、近年京都市では皆さんもご存じのとおりインバウンド観光客の取り込みなどにより観光産業が大きく飛躍しています。これらの影響により、京都の景況は緩やかながら拡大を続けています。この好景気により、仕事はあるが人手が足りないという状況の一方で、景気の波に乗れずに仕事がなく、売れないという業界もあるそうです。こうした状況は構造的なものであり、景気対策とは違うアプローチが必要となってきます。

京都市観光産業局長の上田誠氏によると、京都市では疲弊するきもの業界を守るため、様々な需要喚起策を展開してきました。それにより京都市内では至る所できものを着た方とすれ違うようになりました。しかし、きもの業界が潤ったかというとそうでもないようです。

同様の事例として、近年インスタグラムやフェイスブックなどにより写真需要が大幅に増加しているにもかかわらず、カメラは売れておらず、「需要が高まったからといって業界が振興するかというとそれは別問題」とおっしゃっていたのが印象的です。

こうした課題に対して、上田局長は「難しい課題であり、なかなか明確な対策が見つからない」とのことでしたが、原則的には事業者側が、消費者や利用者のニーズを捉えつつ業態を変化させるしかないのではないかと感じています。つまり「売るもの」ではなく、「売り方」に焦点を当てる方法です。

こうした手法の典型的事例としては、小阪裕司氏が提唱する「ワクワク系マーケティング」が挙げられます。小阪氏によると、「買いたい」と思い行動することは、人の心が作るものであり、人の心が動くとき、「購買」という科学的現象が起きるとのこと。この、人の心を動かすための仕組みづくりには様々な観点があり、たとえば、「お客様との絆づくり」「心豊かな体験」「売り方(伝え方)」などが該当し、これらを工夫することで、立地や規模に関係なく売上を創り出すことができます。

この1年の箕面の観光産業は悲惨な状況でしたので、様々なイベントを通じた需要喚起を行っていく必要がありますが、それと同時に個店がニーズを捉えて人の心を動かす仕組みを構築していくことも重要ですこうした支援は箕面商工会議所の得意とするところですので、時代の変化への対応にお悩みの方はぜひ事務局までご相談ください。一緒に経営革新に取り組んでいきましょう。

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