コラム

ウィズコロナ経営に必要なのは・・・2020年07月21日

中小企業相談所の藤本です。

まずは、このたびの新型コロナウイルス感染症によって影響を受けられた皆様に、心よりお見舞い申し上げます。

コロナ禍によって、当相談所も、経営相談(特に資金繰りに関する相談)が増え、コラムもなかなか更新できずにいましたが、ようやくこの度、再開できました。

さて、本コラムでは、「ロックで学ぶ」シリーズなど、商工会議所の敷居が低くなるように、おもしろ要素を入れながら記事を書いていましたが、しばらくの間は、こういった要素は控えて、「コロナに適応した経営のために必要な○○」というテーマでコラムを書いていこうと思います。

では、本題。

「コロナに適応した経営のために必要な○○○」

○○○には何が入るでしょう?答えは一つではないと思いますが、まずわたしが一番はじめに挙げたいのが
「情報力」です。


コロナによって、事業者、特に中小企業は壊滅的な経済打撃を受けました。しかし、同時に、国も、コロナに負けず持続可能な経営体制を維持するための施策をいくつも打ち出しています。これら施策を活用するとしないでは大きな差がでます。

例えば、箕面市に個人事業のA店・B店があったとしましょう。そしてどちらも「全く」同じお店だったと仮定します。ただし、A店には情報力がなく、B店にはあります。違いはそれだけです。

事業規模は例えばこう↓しましょう。

業種 大阪府箕面市で飲食経営(居酒屋)
2019年度売上 2,000万円
家賃 15万円
従業員 常勤0名(アルバイト雇用あり) + 妻が専従者
業況:昨年4月の売上高は200万円あったが、コロナによって2020年4月の売上高は40万円(80%ダウン)となった。また5月も月商は5割以上減少。
A店・B店ともに、客数は激減し、手元の現金がどんどん無くなっていくという状況。

そんな中で、A店は情報力がないため、なんの施策も活用できませんでした。一方で、B店には情報力があり、以下、7つの施策を活用しました。

①コロナ特別貸付(日本政策金融公庫)
2019年度の平均月商×3か月分(500万)を借入。3年間実質無利子。
>>詳細はこちら

②持続化給付金(経産省)
100万円給付。月売上が昨年度月と比べ50%以上ダウンしているため申請可能。
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③家賃支援給付金(経産省)
60万円給付。5月売上が昨年度5月と比べ50%以上ダウンしているため申請可能。
※B店の場合、家賃15万円のため、その2/3×6か月分が支給される
>>詳細はこちら

④コロナによる営業不振を理由とした公共料金等の支払い猶予(各公的機関)
所得税・消費税等の税金、また国民保険(健康保険、国民年金)の支払いについて一定期間猶予。
>>詳細(国税猶予の場合)はこちら

⑤緊急小口資金(社会福祉協議会)
20万を無利子で借り入れ。
>>詳細はこちら

⑥小規模事業者持続化補助金【コロナ特別対応型・B類型】(経産省)
ウィズコロナ経営のための投資を行う。販路開拓に資する経費134万円のうち、100万円がキャッシュバック、【事業再開枠】感染防止対策経費50万円がキャッシュバック
>>詳細はこちら

⑦大阪府休業要請支援金(大阪府)
50万円給付 休業要請に従い、かつ、4月売上が昨年度月と比べ50%以上ダウンしているため、申請可能。
※終了しています

さて、これら施策を活用した結果、B店はどれだけ資金繰りが楽になったでしょうか。

まずキャッシュについては、
給付される(もらえる)お金が ②+③+⑦ で 210万円
借入金(負債)が ①+⑤ で 520万円

合計730万円の現金がB店の預金口座にINします。

「お金がない」ということは経営者にとって最大の精神不安であるため、この730万円のキャッシュは経営者にとって大きな励みになり「大変だけれど前を向いて経営しよう!」という気持ちになれます。

加えて、B店は「キャッシュを入れる施策」を活用するばかりでなく、「キャッシュが出ていくのを遅らせる施策」も活用しています。

それが④「公共料金等支払猶予」です。このような予測不能の売上激減状態に陥った場合、税金や国民保険といった支払いは、個人事業者にとって、大変厳しいものです。よって、④を活用し、当面の支払いを遅らせ、資金繰りを楽にすることができます。

「キャッシュを入れる施策」については活用していても、「キャッシュが出ていくのを遅らせる施策」については活用を忘れている事業者の方は意外と多いので、参考にしていただければと思います。

最後に、⑥を活用しているところが一番のポイントです。持続化補助金によって、「コロナに負けないための経営戦略」を考え、戦略実行のため134万円投資。のちに100万円がキャッシュバックされる予定。また、事業再開のための感染防止対策に50万円支出。こちらは全額キャッシュバックされる予定。

B店は当面の資金繰りをしのぐだけでなく、未来に向けた商売を行っています。

さて、このようにB店は国や自治体の施策を最大限に活用し、コロナ禍を耐えしのぐ持続可能な経営の兆しが見え始めました。

一方で、A店はどうなるでしょうか。おそらく、資金ショートで廃業にならざるをえないと思います。

どちらもまったく同じお店だったのに「情報力」の差でこういったことが起きてしまいます。

たとえば箕面商工会議所の会員さまには、「休業要請支援金」の実施決定後、すみやかに当所から案内のDMを送付しました。(また、ホームページ上でもご紹介しました)

さすがにA店のように何の情報も持っていないという方や、融資や給付金を全く活用しないというような方はいらっしゃらないと思いますが、「施策は知っているが自分の店が活用できるかわからない」「申請がむずかしくて心が折れそう」という方は多く、そんな方たちの相談に乗る日々が続きます。そしてコロナ関連の新たな施策は今も更新されています。

「経営を頑張っていきたい!だから情報がほしい!」

そんな方は遠慮なく、地元の商工会・商工会議所に相談してみてください。
また、ウィズコロナ経営のためのセミナーなども開催しています。
>>詳細はこちら

大変な時代ではありますが、前を向いて経営ができるよう、わたしも知りうる限りの情報をお教えいたします。




コラム筆者
藤本太恒(中小企業診断士):箕面商工会議所で経営相談に従事しています。
「ロックで学ぶ経営コラム」不定期連載中

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