コラム

「王者の戦略」と「弱者の戦略」2022年02月08日

皆さんこんにちは、専務理事の秋田です。

箕面市小野原に、有名洋菓子店「デリチュース」がありますが、ここは創業当時から商工会議所会員を続けていただいており、現在は議員を担っていただいています。先日、年末年始のご挨拶の際、創業者の長岡末治さんにお会いし、興味深いお話をお聞きすることができましたので、皆様にも参考になるかと思いご紹介させていただきます。


デリチュースでは、長岡さんのこだわりチーズケーキ「デリチュース」が有名ですが、実は創業当時と現在では味が異なるというのです。昔の「デリチュース」を味わったことがある人ならわかると思うのですが、このチーズケーキは完熟のブリードモーを使っているので、かなり香りが強く、チーズを食べ慣れてない人にしてみたら腐ったような臭いがする独特の商品でした。

当時はこうした特徴のある商品に魅かれた常連顧客により売上を伸ばしてこられましたが、客数が増加するにつれ、多くのお客さんに支持されるよう、ブリードモーの熟成をやや若くして香りを抑えており、現在の「デリチュース」は、以前ほどの独特の臭みがありません。

これは、お店の成長ステージに合わせてうまく対応している事例と言えます。お店は事業規模やポジションに合わせて戦略を変えていく必要があるのですが、戦略は大きく「王者の戦略」と「弱者の戦略」に分類されます。

メディア等の成功事例で取り上げられる多くの一般的な戦略は「王者の戦略」のことで、その業界でのトップシェア企業は「同質化戦略」といって広く万人に受ける商品やサービスをつくります。10人いれば、7~8人を満足させる必要があり、「他のお店でやっていることと同じことがうちでもできますよ」という訴求をしていくことが欠かせません。

一方で、事業規模が小さい間は「弱者の戦略」をとる必要があります。「弱者の戦略」は別名「差別化戦略」とも言い、10人のうち1人か2人の熱烈にファンをつくるために、「他店(大手)ではできないことができます」というイメージで展開します。

デリチュースの事例で言うと、創業時の事業規模が小さい間は「弱者の戦略」で熱烈なファンをつくり、事業規模が大きくなった現在は「王者の戦略」で万人に受ける商品をつくっているということです。

一方で、創業当時のファンから「デリチュース・クラシック」をぜひ作ってほしいという声もあるそうで、そういうコアなお客さんには昔の味を復活させることもあるそうです。

には数多くの成功事例がありますが、やみくもに真似をするのではなく、それぞれのお店の状況やステージに合わせた成功事例を参考にする必要があります。

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